小村ファンド
講談社 週刊モーニング 新人漫画賞「漫画オープン」入賞作品
作・千葉名人(2006年制作)
わたし自身はじめての、Illustrator100%の完全デジタル作品となりました。この時、アナログの筆ペンを完全にやめて、Illustratorだけで作品を描くと決めてとりかかった作品です。当時、製図の会社員としてサラリーマンをしながら、帰宅してから作品を書いていました。
編集者の方の感想は、「面白いんだけどやっぱり千葉さんの漫画はアナログのがいいなぁ」とアドバイスをいただきました。
紙媒体作品は2006年頃はアナログのペンで作成した作品方が圧倒的に編集者のウケが良かったです。今はどうか知りません。
仕事でIllustratorで製図するので漫画もIllustratorになる
たしかに、ヘタウマとリアルの中間にいた時代でキャラクターだけならアナログのGペンのほうが魂が入りやすいと自分でも感じていた時期でした。しかし、実はこのころにはすでに、連載漫画家になる連作の才能などが自分には職業適性として欠けている自覚がありました。
もう一度、賞を受賞させてもらって漫画で食う目標はここで断ち切る区切りにする。ただし、最後に受賞だけは狙う。そう決めて半年くらいかけてIllustrator100%で作成した作品です。ペンタブレットはワコムのファーボという安いヤツです。
漫画賞入選、本社ビルで授賞式
授賞式は講談社の本社ビルで行われ、わたせせいぞう先生が授賞式で握手してくださいました。
わたせせいぞう先生は大賞受賞者の方よりも、わたしに真っ先に歩み寄ってくださり熱いお言葉をかけてくださいました。
とてもとても感激いたしました。作品はいつも拝見してましたが、先生そのものが、モデルのようにスタイルの良い方で、とてもイケメンで見た目がもう俳優さんみたいだったことも驚きました。先生は元超エリートの方で「なんで漫画家になったの?」ってほど漫画以外でも、とても仕事のできる方です。
授賞式でのスピーチ
授賞式では受賞者が喜びの言葉を述べる場面があり、わたしにマイクが回ってきました。
「デビューから7年ぶりに漫画賞を受賞させていただきました。漫画の世界は大変厳しいですが、みなさんお互いがんばりましょう!今日は本当にありがとうございました^^」
・・・とトークさせていただました。
すると、「えーぇええ!!?」と会場にいた新人漫画家の卵のみんなが、7年という歳月に驚いてどよめきが起こりました。
晴れ舞台です。みんな、夢と希望で一杯で幸せな場所で、「7年ぶりに漫画賞受賞したけど、なにか質問ある?」みたいなヤツがいたら、「どんだけ厳しい世界なんだよ!!!」と青ざめた表情の方もいらっしゃいました。
ギャグ漫画家のほうがデビューはしやすい
ギャグマンガ家は比較的デビューできる可能性はあるそうで、実際12Pの作品でわたしも週刊モーニングという雑誌でデビューさせてもらいました。
しかし、ストーリー漫画家の場合はページ数が多く掲載されるまでの順番待ちが長いそうです。ギャグ漫画の場合は4P-8Pくらいだと、連載に穴がでた時にポーンと入れてもらいやすいそうです。ストーリー漫画だと最低でも16Pくらいからですので、雑誌のページの制約からなかなかデビューするチャンスが回ってこないそうです。
そのため、ストーリー漫画家の方は、新人賞を受賞した後、担当編集者に鍛えられて2年くらい待ってやっとデビュー・・・みたいなのが当たり前だと、当時の担当編集者の方に教えていただきました。
ギャグ漫画家はイージー?
ギャグ漫画家はイージーじゃん?
と思われた方もいるかもしれませんが、ネタが思い浮かばないとギャグ漫画家はストーリー漫画家よりも苦しいです。
実はわたしは、デビューの後、ボツボツボツで「なにを描いたらよいのか手がかりになるもの」を見失ってしまって、漫画を書こうとしたら吐き気がする状態まで追い込まれました。ギャグ漫画家の寿命は3年と言われていて、確かに昔有名だったギャグ漫画家は消息不明な方が多い気がします。
すごく気持ちやら、どうしてそうなるのかは想像がつきます。
とりあえず、担当の方とギャグセンスが合わないと詰みます
漫画出版社の担当者の方は人事異動などで、結構コロコロ変わることが多くギャグ漫画家は本当にキツイと思います。
実は映画アニメが作りたい
今は趣味で漫画やアニメを本業の合間に、今もコツコツ書いています。ネームと呼ばれる絵コンテを書き溜めています。
そして最近気が付きました。
実は、わたしは本当は漫画ではなく、「映画アニメ」を作りたかったと後から気が付きました。漫画家になりたいと思っていたのではなく、映画アニメを作りたかった。つまり宮崎駿の「ギャグバージョン」をやりたかったのです。
コメディアニメ映画作品(1時間前後から2時間くらいの映画アニメ)を、自己資本100%で、スポンサーなしで好き勝手にやりたい放題で作りたいという創作意欲が、自分の気が付かないところであったのです。
[/st-mybox]当時はお金がかかって映画アニメなんて自主制作では夢のまた夢です。だから現実的に漫画を描くことが具体的な手段としてあって、それを自然と選んだのだと自分で自分を分析しています。
本当にやりたいことは映画アニメの制作
わたしは、1時間から2時間くらいの映画作品のアニメを作ってYouTubeに無料公開することが夢です。
それがインターネットに残って、ゴッホのように後の人類にまで鑑賞して貰えたら最高だ!
・・・と考えて今、映画アニメ作品を作成しています。
声優さんもお願いして、映画アニメを完成させ「YouTube」に完全無料公開予定です。
完成日は未定です。
3年から5年かけて完成させます。時間をかけて作品を作る。ディティールにこだわるのが大好きです。
仮面ライダーの生みの親である石ノ森章太郎先生は言いました。
「ディティールに才能が宿る」と・・・
わたしは作品を作るのが遅いのですが、ディティール(細部)にまで魂を込めて映画アニメを完成させる。
これが夢というか次の目標です。
千葉名人サイン色紙
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